ベトナムの記録

 

◆◇◆ その1◆◇◆

空港までの電車でアンサリーのover the rainbowを聴いてじんわり涙腺が緩んだ。
搭乗前のロビーは東南アジア特有の甘いお香の様なにおいで満ちていた。
離陸。赤青緑、白や黄色のライトが小さくなってゆく。全身で圧力を感じた。上空から見ていたら、ベトナムの光は日本の光よりも細かく優しかった。
ベトナムへは20回くらいという機内で隣の席だった方に空港で助けられる。一人でいきなり右往左往するところでした、本当にありがとうございました。。。
タンソンニャット空港は新設されてまだ間もないとの事、とても綺麗でした。

到着してホテルのボーイさんにチップを渡したらニッコニコ、態度が急に丁重に、、、。
シャワーに入ったら、ソーラーエネルギーで温水を出していると看板にあった。

しばらくしたら食中り!?嘔吐と下痢に一晩中ずっと苦しみました。まだ機内食しか口にしてないのに!朝になってもまだ気持ち悪いし身体中痛い。
某TV局に勤める大学時代の友達に◯◯◯便で食中毒のニュースはないかとメールで聞いてみたところ、そんなニュースは入っていないとの事。
『そんな事より、メール通じるんだ!?』ってあなた、“そんな事”の方が重大なんですってば〜(笑)。

ベトナム人は朝が早いらしく、6時くらいからもう表の通りからのバイクや車のクラクションがパッパーパッパーけたたましく鳴り響き続けている。
胃腸が空っぽになった頃、熱も下がって嘔吐も治まり、ホテルの窓から外を見たら
サイゴン川が朝日でキラキラ輝いていて、寝てる場合じゃない!と思い直す。

サイゴン川は様々な種類の船が通り過ぎていくばかりか、まるで島みたいな水草の束が流れてゆく。

ニョロニョロはあんな水草から発想を得たんだろうか。

◆◇◆ その2◆◇◆

日本円を両替してベトナムの通過ドンにすると、ものすごい量の札束に。まるでお金持ちになったみたいだ。罰当たりなんだけど写真を撮る。

しばらく歩いたら、まだ身体が本調子じゃないのか、クラクラしてきたので、カフェに入った。

色んな国の人が居た。外を眺めていたら欧米人の女性が明らかにノーブラで歩いていた。
通りを行くバイクの数がものすごくて、ほとんどノーヘルな上にスピードが結構出ている。そしてやはり皆クラクション。
シクロ(人力三輪車)をめぐるトラブルが多いらしく、大使館などからも使用を控えるようお達しが出ているとの事もあってか、

相当暇らしく、お客さんの座る席に自分が座って現地のバイクの女の子をナンパ。
しかし相手にされなかったようで、そのうちシクロのおじさん、鼻のお掃除。若い女性も平気でお鼻の掃除をする文化な事に驚く。

フォー24というお店を教えて頂きフォーを食べる。某大統領も食べたというお店だそうです。本当にとても美味しかったです。

街の看板やネオンの色合いがとても可愛かった。バス停も可愛かった。まるで、ゴダールの映画みたいな色合いだった。
ホテルから乱視と近視のひどい裸眼でホーチミンを見下ろしたら、沢山の色んな色の打ち上げ花火が上がって見えた。写真にできないのが残念。


◆◇◆ その3◆◇◆
夜、在住のすずき夫妻にライブハウスへ連れて行って頂きました。taxiの選び方を知る。ダ・ダ〜ンて感じの女性の熱唱がとてもうまかったです。
お客さんの熱気もすごい。Mr.BIGやホイットニーヒューストンの楽曲に欧米人の方々がノリノリでした。
シンセがなんと私が持っている物と同じKORGのトリニティV3でした。

ステージの後ろがギターのサウンドホール、テーブルはピックの形、ニルヴァーナやジョンレノンやジミヘンの壁画、とてもお洒落だった。
入り口近くにある天井から吊るされライトアップされたドラムの中に投げ銭制で、出入り自由なため、お客さんはとても正直で、

人気のあるアーティストの時は会場は満員の大盛り上がり、人気のあまりないアーティストの時はガラガラ。
お客さんは飲食代のみ払えば何度でもいつでも出入り出来る。人気がないとシビアだけど、いい意味で理にかなっているかもしれない。

2人っ子政策で平均年齢が25歳なのもあるのか、お客さんは若者でいっぱい。

◆◇◆ その4◆◇◆
ホテルのエレベータでカナダ人のおばさんやイングランドの男性と一緒になった。
イングランド人の方はこのホテルに泊まり、ベトナムで働いていると言っていた。


部屋のベッドから天井を見上げていたら、施工の緩さに思わず頬が緩みました。
どう見ても天井の梁が若干、斜めになってる!床は強風で揺れるし。面白い…。

テレビはSONY、冷蔵庫はTOSHIBA、トイレはTOTO、エアコンも日本製だけど、
足下から20センチくらいの柵の無い大きな窓はある意味すごく新鮮でした。
トイレのタンクの中にはイモリがいらっしゃいました。


翌朝は生春巻きやおかゆが本当に美味しかった!ジャムは果実が大粒だった。キュウリは大きく、ベトナムコーヒーは濃く甘く、
ガーリックトーストも甘い。ドラゴンアイが大きくてジューシーで幸せでした。小さなリンゴがあった。姫林檎のさらに1/5くらいの大きさ。
他にマンゴーやスイカ、パイナップル、小さくて中まで黄色いバナナなど、普段食べない様なフルーツが並んでいました。

見よ!この電線の束を!何十本あるやら!!行きのバスでも誰かが漏らしていた。

そしてこのバイクの陳列数。チョークで番号を書いて歩道上で管理されている。



◆◇◆ その5◆◇◆
また一人でふらふらお散歩をしていたら、ラテンというスポーツバーを見つける。7つのTVで英語の衛星放送をやっていた。
私以外は白人のお客さんばかりだった。サッカーのサイン入り各種ユニフォームが壁に何枚も額入りで並んでいる。
他にはボクサーの大きな写真や数々のトロフィー、ラグビーの映像…そのうちの一つの画面にみんなの目が集まっていた。

F1中国戦の中継をしていた。私もその人達に混ざってカフェオレを片手に観戦。まさか異国でF1観戦するとは。

アオザイを作りました。服屋さんの2歳になるという子供と仲良くなりました。

路地裏から猫が横切っていった。ベトナムの猫は骨格が細いそうです。
すずき夫妻にフエ料理のお店へ連れて行ってもらいました。美味しかったなぁ…。
魚介の澱粉を使用した半透明のゼリー状の食べ物は食感が寒天みたい!汁の混ぜご飯やフォー。ココナッツジュース!
映画館の看板がやっぱり可愛い。嬉しくなってしまう。ゴダールを再び思い浮かべる。

市場やデパートへ連れて行ってもらいました。デパートは手荷物預け制でした。
橙色のつなぎを着た人達は、道路の清掃員なのだそうです。橙色の服を着た人が妙に少なかった。ゴミを連想するからだろうか。
そうとは知らず、私は前日橙色のカーディガンを着ていた。
夕暮れがだんだん闇に溶けていく。街のネオンとクルーズ船の魚が浮きあがる。

サイゴン川前の通りはバイクの川で、渡るのがもの凄く怖かった!
一人だったら渡れなかったかもしれません。何とお礼を言ったらいいのだろう。 すずき夫妻に心から感謝です。本当にお世話になりました…。。。
バイクやバイクやバイクや車やバスやバイクやバイクの車道の中にどさくさにまぎれて自転車も発見。バイクは5人乗りまで見れる様です。

CDショップは海賊版がずらーっと並んでいてとても面白かったです。電気屋さんにはboseならぬboseyというスピーカーがあったりして。
屋台を通りかかったら行きのバスで知り合った二人がお食事をしていました。活気があり、生け簀にはコイの様な魚が居て、メニューにタニシが。


ギタレレが日本円で千円!くらいだったので、自分のお土産に買って参りました!
ちなみにギターケースにはYAMAHAとあり、チャックにはadidasとある(笑)。
日本へ帰国の際、楽器持って少しくたびれた格好をしていたので、入国審査で麻薬を疑われ私だけ停められ荷物検査をさせられる。

私の前後の人は皆スルー。貴重な体験をさせて頂きました。そんなに怪しげだったのだろうか。
可愛いギタレレ。弦を張り直しチューニングすると弦が3本切れます。440じゃだめみたい。…普通のギターとチューニング違うのかしら。


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count from 2000/11/20