【movie】
好きな映画のreview!(極めて個人的な主観です)
ハロルドとモード
ハル・アシュビー
はちゃめちゃで可愛いお婆ちゃんモードと、危うい繊細さとブラックユーモアを持つハロルド、陽気なお母さんと風変わりなお見合い相手達。
幸せな瞬間にいってしまいたいと思うのは、少しずるいけれど、なんとなく分かるような気がした。でも、その瞬間は哀しくて涙が出た。
とてもいい映画でした。
2010,7

BIRD★SHIT
ロバート・アルトマン
最後のブラックで陽気な展開と、幾つかの風変わりな場面が印象に残る。
車いすのお爺ちゃんがカラフルな膝掛けと白髪をなびかせながら坂道を一直線に下ってゆくシーン、本棚の梯子で妙な背比べの掛け合いをする2人、出て来る度に鳥になって最後の方は凄い事になっていた教授の演技力、車が次々とスローモーションで飛んでゆく場面、シャッターのこちら側から女性が斜陽の中を去ってゆくシーン、それから、その時に流れた音楽とのマッチングが最高でした。
2010,7

JAZZ SEEN
ジュリアン・ベネディクト
好きなアーティストの一瞬が写されたジャケに、ちょっとした奥行きを感じられる映画。カメラマン、ウィリアム・クラクストンの半生と共にジャズ名盤の背景が見られます。
2010,5

太陽を盗んだ男
沢田研二
愛すべき昭和。
2010,5

ランブルフィッシュ
フランシス・フォード・コッポラ
風景の長時間露出がとても綺麗で、モノクロでこんなに風景描写に表現を効かせられるのかと、何か節穴を刺激されたかの様な感覚になる。モノクロに生える闘魚の青と赤。
バーテンでトムが出ている事を忘れちゃいけない。少ししか話さないけど、格段に良い声してるんだ、やっぱり。
2010,2

ブエノスアイレス 摂氏零度
ウォン・カーウァイ
黴臭さえしそうな、少し湿り気を帯びた空気。独特の倦怠感や絶望感の様なものが漂う、この監督の映画が好きだ。
そして束の間、遠くへ行けたかの様な気にもさせてもらえる。単なるメーキングに留まらない、異様なほど雰囲気のある作品。
2010,1

ロルナの祈り
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
愛とは儚いなぁ。生もあっけないものだ。一生のうちに一度でも、一瞬でも愛を感じることができたなら、幸せって言えるのかな。若輩者には分からないけれど、そうなのかな‥なんて思う。
2010,1

リミッツ・オブ・コントロール
ジム・ジャームッシュ
シュール。そして美しい。3回ニマっとして、3回クスっと笑った。大好きな監督だ。
2009,10

恋する惑星
ウォン・カーウァイ
この退廃的な雰囲気がたまらない。綺麗で汚くて、それでいてキュートな映画。
2009,7

アパートメント
ジル・ミモーニ
狂おしい。魅せられる。魔性って罪だとあらためて思う。なんとなく、せつない。
2009,3

慕情
ヘンリー・キング
水色の空や海と、朱色のランプ。欧米と、亜細亜。
2009,3

青いパパイヤの香り
トラン・アン・ユン
ベトナムのぬめっとした暖かさを思い出す。料理の場面が特に印象に残る、言葉の少ない静かな映画。
2009,1

2046
ウォン・カーウァイ
カナダ人の友人とも意気投合した雰囲気のある映画。決して明るくはない。でも暗すぎない、少し不思議な映画。
2009,1

天使の涙
ウォン・カーウァイ
香港の色っぽさが全編詰まっている。決して綺麗とは言えない街。血なまぐさい部分もありながら、混沌とした中に浮かぶその朱色にこそ、癖になる魔力が潜んでいる。
2008,12

ハリウッド★ホンコン
フルーツ・チャン
生臭くて色っぽい。
2008,9

トランシルヴァニア
トニー・ガトリフ
風のように生きるロマの生活。一度すれ違ってしまえばもう二度と会えない。潔さが切ない。そして憧れる。大地に奏でる音楽、愛を求める旅。
2008,8

ドリアン ドリアン
フルーツ・チャン
香港と中国。海。空。路地裏。とても静かな映画。本当に大好きです。何度も観たい。
2008,8

ホテル・スプレンディッド
テレンス・グロス
薄暗く黴臭く、湿った感じのホテル。えも言われぬ怪しさと、うすら可笑しい雰囲気。でも一旦この世界に足を踏み入れたら入り込んでしまう。従業員も宿泊客も皆、個性的で不思議な人ばかり。出逢えてよかった。好きな映画でした。
2008,8

8 1/2(はっかにぶんのいち)
フェデリコ・フェリーニ
人生の悲劇を楽観の大海原へと流してくれそうなフィナーレ。モノクロに色を添えるニーノロータの音がまた素晴らしい。観終わって、歩道橋を渡り坂を下る帰り道、周りの全てが何カット何テイクもある内の1シーンの様で、感慨深さの一方、不思議な清々しさがあった。いつか『人生は祭りだ、一緒に生きよう』と言ってみたい。
2008,8

カビリアの夜
フェデリコ・フェリーニ
純粋さとは何かを思い出させてくれる。傷ついても傷ついても尚失わわれない、純粋な感受性が切なく愛しい。
2008,8

私の小さな楽園
アンドルーシャ・ワディントン
筋書きについては賛否両論ありそうな、それも相まってえもいわれぬ余韻の残る映画。楽しむべくは風景とその配色、雰囲気、音楽。
2008,7

ONCE ダブリンの街角で
ジョン・カーニー
ミュージシャンは皆、感情移入してしまうと思う。
2008,3

人生は奇跡の詩(うた)
ロベルト・ベニーニ
この取り合わせはジムジャームッシュ監督の作品でも観られるが、トムの演奏が観られるというだけの理由で観ました。しかし色んな意味で良かった。映像も美しい。後味も良く心が切なく暖かくなります。
2008,5

エレファント
ガス・ヴァン・サント
時の経過というものをこれ程までに鮮烈な印象を放つ映画はなかなか無いと思う。実際にあった出来事をモチーフにしているという事は、この映画が素晴らしい芸術作品であるがために複雑だが、構成があまりにもすごくて、観終わった後しばらく動けない。
2007,9


アンドレイ・タルコフスキー
水のしたたる音。ガラスの割れる音。画面上の動きはスローな様でいて、ストーリー展開は早い。この映画は映像美につきると思う。
2008,3

モンパルナスの灯
ジャック・ベッケル
画家モジリアーニの半生を描く。
死後に価値があがると踏んだ画商があざとい。
2008,3

MORE
ハルベ・シュローデル
イビサ島が美しかった。恍惚としていた。奇抜なシーンも多い禁断のフィルム。
同監督のもう一つのラヴァレも観たが、カルト色がより強かった。いずれも音楽はピンクフロイド。
2008,3

スティル・クレイジー
ブライアン・ギブソン
いいじゃないか、おやじバンド。ブライアンがギターを弾いた瞬間、泣いてしまった。ロングコートとセンスィティヴな役柄と、優しい笑顔の戦略に完敗しました。
2008,2

潜水服は蝶の夢をみる
ジュリアン・シュナーベル
フランス雑誌ELLEの実在した編集長。
私も、どんなに絶望的に感じる境遇になったとしても、ユーモアを忘れずにいたい。
2008,2

ショート・カッツ
ロバート・アルトマン
恐らく人生とは元来この様に、不公平極まりないものなのだ。不可思議で夢の様な偶然もたまにあるが、必然性の強い辛辣な現実がほとんどである。命は宇宙における奇跡の賜物で、 暖かく、味わい深く、そして脆く儚い。
きっと、そんな感じかもしれない。
2008,3

ガスパール〜君と過ごした季節
トニー・ガトリフ
ロマの雰囲気漂う、優しい哀愁と、 海や朝焼けがとても美しい映画。
印象に残る景色は、色とりどりの椅子、 おばあちゃんの可愛い笑顔と細い手首、 砂利の一本道、歩き去る後ろ姿。
2008,3

フィッシャーキング
テリー・ギリアム
さすがテリ・ーギリアム。 やっぱり好きな世界観でした。トムもちらっと出てきます。
2007,12

キッチン・ストーリー
ベント・ハーメル
ノルウェーとスウェーデンの国境を越えた、おやじ2人の交流。静かでそこはかとなく可笑しくて、優しい物語。
2007,12

街の灯り
アキ・カウリスマキ
何度か断片的に映るフィンランドの街を見下ろす構図が本当に綺麗で、ヘルシンキへ行ってみたくなりました。ストーリーはちょっと強引な気がしたけど、青緑と赤が多用される映像美と、愚かな滑稽さが良い後味として残って、穏やかにほんのり満足でした。
2007,11

ナイト・オン・ザ・プラネット
ジム・ジャームッシュ
この作品は以前何度か観た事があった。音楽もトムウェイツ、本当に好きな映画なので購入しました。
1つの国ごとのストーリーを、1つずつ、 寝る前に観るのが好きだったりします。
2007,8

善き人のためのソナタ
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
音楽:ガブリエルヤレド、当初ただそれだけの理由で観に行きました。
東西ドイツの歴史に翻弄された恋愛や人生。人生って、どうひっくり返るか分からない。
時々こっそりこんな涙を流すのは、命の洗濯なんだ。 生きていると、流せないことがたくさんあり過ぎるから。
2007,4

ロッキー・ホラー・ショー
ジム・シャーマン
ショーです!
トランスセクシュアルだしロックだし、ヘドウィクアンド…が影響を受けたのでは?と想像してしまった。70年代に作られたとは思えないほどお洒落で新しく感じました。色使いとか音楽、メニューやイントロで動く唇とか、大好きです。けっこう下品な場面もあるのに、アーティスティックな印象だけが残ってしまうのはなぜ!?
2008,1

マルコヴィッチの穴
ジョン・マルコヴィッチ
7と1/2階のオフィスっていうのもさる事ながら、マルコヴィッチさんあなたどこまで自分が好きなんですか!? でもそんなところがファンの心をくすぐるのでしょう。アダプテーションも好きで何度か観ましたが、この監督の作品は私だったらまずこれから入るかな…。その発想力の豊かさに…私もその穴、入ってみたい!
2007,10

ぼくを葬る
フランソワ・オゾン
そこに辿り着くまでの経緯は、フランソワオゾンらしい静かな道のり。ラストの景色が圧巻で、筆舌につくし難く、余韻でしばらく動けなかった。
2007,8

ルナシー
ヤン・シュヴァンクマイエル
この監督は、結構はまりました。アリスも持っているし、何より短編集のなかの彫像を解剖した後に新大統領がオギャーと声を上げ誕生する場面などは、生々しさと独特のユーモアが融合して何とも言い様のない通な後味です。「食べる」はやっぱり傑作です。一方、このルナシーにおいては劇場で観て、やっぱり世界観がすごく好きだと再確認しました。どちらかというと、悦楽共犯者やオテネーサクなんかに比べれば、ルナシーは一般的に観やすく作られていたと思います。しかしながらシュルレアリストと称されるセンスはちゃんと作品のところどころに健在です。
2007,4

ローズ・イン・タイドランド
テリー・ギリアム
モンティパイソンのギリアムです!
シュールなロマンチスト、だと思っています。
可愛くてメルヘンで引力があってちょっと怖い。
2007,3

薬指の標本
ディアーヌ・ベルトラン
小川洋子さんの小説は結構好きで、フランスで映画化との事で、公開前から楽しみにしていた。
内容はちょっと魅惑的な変態。静かで、大好きな海沿いの街。そして、色彩がすごく美しい。
2006,9

Pola X
レオス・カラックス
ディープな世界に誘われる感じ。
亡霊に取り憑かれた様な情愛。愚の骨頂の極みにある様な愛を表現させたら、この監督の右に出る者はそう居ないのではないかなぁ。
少し畏怖を覚えながら、ディープな世界に潜り込んでゆく。
断片的に挟まれる、リズム体中心の印象派な演奏に釘付けになった。そこから高揚して、中盤から全く目が離せなくなった。
2006,9

フリーダ
ジュリー・テイモア
何度か泣きそうになった。でも涙は出なかった。
後天性のハンディは、耐えうる強さのある人と、耐えられない人と、いると思う。素敵だった。
裏切られる度に毎回動揺して取り乱すのに、再び甦らせる事の出来る情熱を、羨望の眼差しで観ていた。
私だったら一人の方がいいと壁を作って、無理矢理にでも自分の気持ちを消そうとするだろう。
年々、気持ちを正直にあらわせなくなって、色んなもので自分自身の心をごまかしてしまう人にとって、気持ちにまっすぐで、勇気ある情熱的な女性は、羨望と憧れの存在です。映像美も引き込まれる。
2006,10

水の中のナイフ
ロマン・ポランスキー
亡命作家ポランスキーが祖国ポーランドに残した唯一の長篇なのだそうだ。
途中から緊張の展開が続く。自然の中に浮かぶ、閉ざされた3人の空間で、徐々にエスカレートしてゆく心理描写。加速度的に興味を煽る描写。
ちょっと危険でなめらかに美しい。
2006,9
三月のライオン
矢崎仁司
可愛い女の子に借りた、少しロリポップな大人の寓話。
出演俳優はもう亡くなったんだよなぁ。そう思うと切なさが倍増。
淡いのに奇抜な世界観。くせになる。何度か観たくなった。
2006,7
DEAD MAN
ジム・ジャームッシュ
現代映画なのだが、あえてモノクロ。さすが、ジム・ジャームッシュ監督。音楽はニール・ヤングが担当している。
静かな中に、ハッとさせられる場面がいくつかある。表現力の威力を感じる。物語の設定も、ストイックで素敵。
2006,4

ひなぎく
ヴェラ・ヒティロヴァー
最高にキュート。チェコの映画。画面の構成とか流れを随分と斬新に無視している。もうストーリーなんてどうでもいいんです、ずっと流しておきたい。
2006,3

昼顔
サッシャ・ヴィエルニー
妄想の世界と現実の世界が、微妙な調合量で入り乱れる。
何不自由無いセレブもそれなりに鬱積してるのかしら。箱入りも時にはスキャンダラスでございます。
2006,3

僕の伯父さん
ジャック・タチ
1950年代に作られたとは到底思えないほど、音も映像も古さを感じさせないお洒落さがある。パリジェンヌの女の子がきっと大好きなかわいい雰囲気な上にユーモアもある。ジャック・タチの感性は時代を超えて愛される。
シリーズは全部観た。
2006,3
VENGO
トニー・ガトリフ
水の音で始まり、風の音で終わった。酒と音楽、狂気と人情の映画。私に足らないリズムに溢れてた。
かっこよくて、切なくて。心は躍るのに、胸が苦しくなった。最後の映像は、昔、泣きながら車を走らせた景色とかぶった。ジプシーの生き様そのものに恋い焦がれる。かっこいいなぁ。人間臭いのに風の様に流れて生きてゆく、音とリズムの種族。
もしもいつか生まれ変わったなら、ジプシーの旅にまぎれたい。
2006,3

シンドラーのリスト
スティーヴン・スピルバーグ
自分が正しいと思った事を貫けるかどうかで、その人の、人としての価値が決まるのだなぁ。
汚い水に入っても染まらない勇気をもたなくちゃだめなんだ。
2006,3
死ぬまでにしたい10のこと
ペドロ・アルモドバル
ピンクの紙ジャケとレビューに惹かれて購入。現代映画なのに静かで、優しくて、POPな色合い。
絵に描いた様な幸せな家庭なのが憎らしいくらいだけど、やっぱり人生って何が起こるか分からない。
小さなバスのお家。可愛い色の生活。こんな生活、いいな。今住んでいるマンションの洗面所前には、この映画で使われていた、赤い暖簾と色違いの、青い暖簾が下がっています。
奇麗で切ない。好きです。買ってよかった。
2006,2

バグダッド・カフェ
パーシー・アドロン
黄色い画面も青い空も、名曲も、独特の静かな展開に見事に溶け込んでいた。
人生を送る中で、出会えてよかった作品。手元に置いて時々観かえしたい数少ない名画。
2005,11
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
ジョン・キャメロン・ミッチェル
魂の入ったいい音楽してる。固定観念に囚われず、心の目で本質を見ぬけられる人になりたい。
刺激的で切なくて美しい激情。
2005,10
カラーパープル
スティーヴン・スピルバーグ
ブルースの味が分かる人にぜひ観てもらいたい。人間の暖かさが沁みる。同時に奴隷制度や人種差別の理不尽さに疑問を感じる。
人間の決めた枠組みは得てして横暴なものが多い。優しいブルースがじんわり沁みる映画。
2005,10
欲望
ミケランジェロ・アントニオーニ
スタジオのセットと主人公の写真撮影時の構図、公園の風の音となびく木々、前半の作りがとても美しかった。
最初と最後の道化の若者達の隠喩するところが、不明確なのも、個人的には嫌いではない。
「確かなものなんて、ほとんど無いのさ、世の中は…」アントニオーニの心がそう言っている様な気がした。
2005,09
女は女である
ジャン・リュック・ゴダール
やっぱりゴダールの色使いが好きなんだなぁ。また、排卵日検査の器具を設定したり、クッションをお腹に入れるアンナ・カリーナの可愛いこと!
インテリア代わりに流し続けたい作品です。ベネックスの青も好きだけどゴダールの赤も大好きです。
私にとって永久保存版。部屋の一角と空気を彩る一品。
2005,09
存在の耐えられない軽さ
フィリップ・カウフマン
ミラン・グンデラの原作を先に読んでいた。私の場合、小説を先に読んだ後に映画を観た場合、受けた感情が小説に勝る事がほとんど無いのだけど、この映画は少々難解な小説をより解り易くしてくれた。
まるで、沢山の色を使わねばならない細かい塗り絵の大まかな部分の色を埋めてくれたような感じだった。その上で再度、原作の小説を読み返してみたい。きっと、より細部まで、鮮やかな色が塗られるだろう。
2005,09
フルメタル・ジャケット
スタンリー・キューブリック
やはり鬼才だ。
この前も存分に味わった映像美。このような戦争映画で映像美を感じられるとは、恐るべし。何年か経ったらもう一度、「時計仕掛けのオレンジ」を観たい。
2005,07
ミリオンダラー・ベイビー
クリント・イーストウッド
シビアでグロテスクな内容を扱っているのに、展開が直接的すぎないアプローチであったため、目をそむけずに見続けられました。
途中涙が止まらなかった。劇場で恥ずかしかったので黙って音も立てずに泣き、乾くのを待った。
世代を超えた無償の愛。世代とか体の不自由とか、そんなのどがえしの愛って大好きです。
2005,07
時計じかけのオレンジ
スタンリー・キューブリック
映像美にノックアウトです。さすが鬼才キューブリック。久しぶりに魅せられました。最高だ。 最高に、美しい。
物語の筋云々も、奇麗事じゃないところが好き。奇麗事はもう見飽きた。世の中とは、人生とは、こういうものだ。斯くあるべし。
2005,07
Coffee and Cigarettes
ジム・ジャームッシュ
この時代に作られたモノクロ映画。コーヒーとシガレッツのほろ苦い深い味わい。それを間のつなぎに味わいながら語らう人たち。その、語らう人たちがまた…最高に通好み。
あるフランス人のコンサートの後、偶然に知り合いのドラマーさんにつれていってもらった映画。 行ってよかった。私の恋するTomが出ていた。動くTomに会えるなんて、モノクロでも幸せすぎた。
2005,06
ポンヌフの恋人
レオス・カラックス
あまりにも強烈な愚鈍な愛。危なすぎて切ない。私にできるだろうか?そしてできる人がどれだけいるだろうか?
できあがるまでに何度も中断された事やセットにかけたお金、監督自身の恋の破局など、数々のいわく付きであったこの映画。
愚かな愛ほど信じられる私は、このポンヌフの恋人を胸が痛いほどに愛しく思う。
2005,06
トーク・トゥ・ハー
ペドロ・アルモドバル
愛する人が昏睡状態になったら、あなたはどうするか。どんな人間にもありうる。そして、死ぬときは皆一人。
この作品は、昏睡状態の人間の人権を擁護しているのかどうかというと、キャストの位置を考えても明らかに擁護している。
実のところ、主となる題材はとてもとても深く、観終わってからもしばらくもんもんと考えさせられる。
2005,05
僕のスウィング
トニー・ガトリフ
ジャンゴラインハルトの後継者チャボロシュミットや、老若男女の演奏家に惹きこまれます。 歌い手、演奏家が圧巻、強烈に素敵です。 視聴者を音とリズムの波に引き込みます。
ジプシー 飛ぶ鳥あとを濁さず… その生き方の潔さがかっこよすぎて、少し戸惑いと切なさを覚えつつ、憧れます。

シェルブールの雨傘
ジャック・ドゥミ
ロシュフォールの恋人同様、先に、ミシェル・ルグランのサントラを入手していました。フレンチ・ミュージカル映画。色彩が美しい。
戦争や周囲の人間たちによる運命の波に弄ばれる二人。後味はどことなく切なく哀しく、同時に達観めいた感情も。
本来、人間の運命とは、故意の運びも加わっているもの。そして人間の運命なんて、こんなものだと思う。綺麗なだけではないところが、とても好きな作品です。


フェデリコ・フェリーニ
頭の少し弱く一途で優しい道化師ジェルソミーナ、そして粗野で乱暴な大道芸人のザンパノ。
だから言わんこっちゃないんだよ〜…と、終盤に涙が止まらなくなる作品。不甲斐ない、悲劇。心に残る名作。

気狂いピエロ
ジャン・リュック・ゴダール
気狂いカップルの、逃亡。
赤・青・黄色。
若くて、初々しくて、それでいて強烈に擦れている。社会の中の、切り取られた痛切な偶像。

中国女
ジャン・リュック・ゴダール
ゴダールとアンヌの関係をゴシップ的に観ながら…60年代フランスの左翼、学生、マルクス主義と毛沢東思想を題材にしている。
パッショナブルな色彩に魅せられる。ただ流しておくだけでも、魅せられる。いつか将来、プロジェクターを買って、部屋の壁に映し出したい作品。

SMOKE
ウェイン・ワン
私が作家のポール・オースターを初めて知った作品。ハーヴェイカイテルとウィリアムハートの自然な名演もさることながら、ニューヨークの街角の時の移り変わりを実に静かに叙情的に映し出している。
煙の味わいを、フィルムでどうぞ。

そして船は行く
フェデリコ・フェリーニ
船という言葉がタイトルには出ているが、船の場面は一部しか出てきません。フェリーニの頭の中はとってもファンタジー。

ボイス・オブ・ムーン
フェデリコ・フェリーニ
ストーリーや話の筋などにこだわっちゃいけません、映像と雰囲気を楽しむ映画。これこそスペース・ワールド。

ロシュフォールの恋人たち
ジャク・ドゥミ
先に、ミシェル・ルグランのサントラを入手していました。美しく楽しげな、フレンチ・ミュージカル映画。雰囲気を味わえてこその作品。愛しい雰囲気。サントラを流せば、あの色彩と雰囲気が蘇る。

ディーバ
ジャン・ジャック・ベネックス
前半で女の子がレコード屋さんで万引きをするところがあるのだけれど、そこの陳列商品にリッキーリーの浪漫のジャケを発見(画面向かって右)。
珍しく後味のいい映画。

アメリカン・ビューティー
サム・メンディス
このブラックユーモアなセンス、悪くないかも。

テルミン ディレクターズ・エディション
未来的で不思議な楽器に思えるテルミン。まるで嘘のような、映画のような(映画だ笑)ドキュメント。
功績だとか年月を超えた再会だとか、すばらしいお話。でもちょうど近隣の国との拉致問題がタイムリーな昨今、そういった事を含めて感慨深く唸り声。
演奏が心地よいのか、一瞬寝たけど、笑。
2004,12
溝の中の月
ジャン・ジャック・ベネックス
とりわけ、青い光や月の光が好きなんです。最近、ストーリーよりも映像美にやられます。
2004,11
ベティ・ブルー
ジャン・ジャック・ベネックス
ものすごく好きです。あまりにも愚の骨頂であるけれど、それだけに余計、儚さが身に沁みて心が痛い。そしてとても美しい。壊れそうなほどに美しい。
サントラは、私の持っているCDの中でベスト3に入るくらいに好きです。優しくて儚い。

歌う女歌わない女
アニエス・ヴァルダ
途中で出てくるアムスの水って曲だったかな?の歌詞がすごい。中絶禁止だった当時のフランスに対する強烈な歌詞。
この映画の内容は今の日本では受け入れられる(というか世代としてはばっちりはまる)観念だとは思うけれど、この歌詞をもしそのまま日本語で歌ったら、今の日本であっても、もう衝撃なんてもんじゃないだろうなぁと思った。
社会に対して云々っていう活動自体、現代の若者ってあんまりしないしなぁ…。現代の日本では珍しくないかもしれませんが、時代背景を思うと結構過激な気がします。
男の人から見たらあの映画はどう見えるんだろう。女性の監督と女優達による、女性の視聴者のための映画のような作品だからこそ、男性の見地も気になるところです。
2004,11
ヴィクトール 小さな恋人
サンドリーヌ・ヴェッセ
好きです。この雰囲気。とても危うくて、静かで優しい。
恐らくストーリーには賛否両論あるだろうけど…。私は、ありなんじゃないかと…。説明のつかない事が沢山ある世の中だし、人の心は複雑なものだから。
現実の中に少年の夢が細切れに登場する手法は、アメリカンビューティーのそれに少しだけ通ずるものがある気も。もっとも、ずっとずっと感傷的だし、楽観的には観られませんが。
カメラが少年の目になって地図が涙でゆらゆらと歪むシーンは、あたかも自分が泣いているかのような気持ちにもなりました。少年が一人で葛藤する姿は、抱きしめてあげたくなりました。
2004,12
人類創生
ジャン・ジャック・アノー
まったく言葉のない映画なのだけれど、サイレント映画ではない。いわゆる原始人の言葉?みたいな叫びがあちらこちらに出てくる。
「火」がどうやって広まっていったのか、野生の動物との抗争、原始時代が静かにけれど生々しく少しコミカルに表現されている。
本来自然は偉大なのだなぁ…。戦争してる場合じゃないよほんと。
2004,12
デリカテッセン
ジャン・ピエール・ジュネ
雰囲気のあるブラックユーモアで、こういうの好きです。DVDを買って繰り返しみたい映画。
2004,12
カンフー・マスター
アニエス・ヴァルダ
ジェーンバーキンとアニエスヴァルダの息子のいけない恋。アニエスヴァルダの息子さんや、シャルロットに影響は!?実生活で何か影響はなかったのかしら!?どこかセンセーショナルなぞくぞく感、映画の筋とは違う撮影背景などに興味がそそられてしまう。
華氏451
フランソワ・トリュフォー
ラム入りホットコーヒーを持ち、コートを羽織りベランダへ逃亡。周囲の屋根から突き出る、アンテナの向こうに佇む膨らんだ月や、星の少ない都会の夜空を眺め、物思いに耽る。今日観た、冒頭のアンテナの場面を思い出す。
この映画みたいに、もしもほんとに、本が法律違反な世の中になっちゃったら、間違いなく、逃亡を図るであろう私。
身の回りの文化を、咀嚼し味わえる程度の時間を貰えるなら…。何でもします。出来ることなら、何でもします。
2005,01
オー・ブラザー
コーエン兄弟
兄弟でこういう映画や音楽等を製作するというのは、よっぽどグルーヴがぴったりくるか反発してしまうか、吉と出るか凶と出るかといったイメージなのだけど、このコーエン兄弟はすごくぴったりきてるんだろうなぁ。
途中でものすごくいい場面がありました。なんというか、官能的な音のハーモニー。
2005,01
終電車
フランソワ・トリュフォー
終電車と名がつくけれど、場面設定の多くはモンマルトル劇場、地下鉄の入り口が出る程度で電車の場面はほとんど無かったです。トゥーサンの小説「浴室」で浴室があまり出てこなかったのとおんなじ肩透かしをくらいましたが、今回も、途中から引き込まれました。
ナチス占領下のフランスということで人種問題や時事が多少絡み、予想してたトリュフォーの恋愛物とは違い、別の視点から面白かった。終盤は、三角関係の大人な対処を見させて頂きました。かっこいい。
2005,02
ロスト・チルドレン
ジャン・ピエール・ジュネ
サントラ買ってしまいました。怖いような綺麗なような音楽、好き。映画も怖いような可愛いようななんとも言いようの無い、素敵な独特の世界があります。いざとなるとちょっぴり怖いけれど、あの世界に入り込んでしまいたい…と思わせてくれる。

尼僧の恋
F・ゼフィレッリ
なんと純粋な主人公。色々思う事はあるけれど、公にするには少し憚られる主観性の強い事柄のため、胸の中にそっとしまっておくことにします。。。
格子の中。黒い布を被る最後の場面。そこは格子の中。籠の鳥もまた、別の切なさを持っているのだろうか。格子があったとしても、窓は欲しいのだろう。夢見るその目は、どこか遠く、果てしなく遠く、窓の景色より更に、はるか遠くを見ているのだろう。
2005,03

ジャック・ベッケル
人間の深層心理が、最後の最後に暴かれる。鉄格子を鑢で削る音、コンクリートや土砂を掘る音。白黒にもかかわらず、かくもリアルに緊張感が伝わるとは、やはり、傑作。
2005,03

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