◇No.42
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出掛けなくても仕事をしなくても、嫌なことって起こるんだぁと思った昨日。廃れた気持ちを慰める為にわざわざ花なんか買いに行っちゃった。でも、夜になって良いこともありました。6月に夢がひとつ叶うことに…。しかもまたもや手術5日前です、笑。しばりちゃん大好き!
リハビリ頑張らなくっちゃ。

ところで、かすみ草って臭いんですね。グーグル先生で検索しようとしたら「かすみ草 臭い」で検索してる人けっこう居て笑いました。「かすみ草からウンチのにおいがするようになりました」とか書いてる人居るし、笑。花弁からメチル酪酸が発生されることが原因なのだそうです。
(13/04/18)

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さて今回は、先日の予告通り『片手生活の試行錯誤レポ』箇条書きです。
手が不自由な人以外には全て何の意味もありませんが、あしからず、笑。
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■服
いきなりアレですが、ブラジャーはつけられませんので、カップ付きのキャミかタンクトップを着ます。見た目は気にするべからず!笑

トップスは、ギプスの入るポンチョやドルマンなど袖の太い服。もしくは男物の3Lの片袖をハサミで切ったもの。

下はストッキングやレギンスなどピタッとしたものは片手じゃたくし上げれないし、ズボンなどチャックがあると履けないので、ウエストがゴムのロングスカートかワイドパンツなどを着ています。
たくし上げ系は靴下ですら厄介。

鞄は斜めがけショルダー。しかも軽いやつ。重いのは…ただでさえギプスを三角巾で吊るしてるから、首が痛くなるよ。

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■キッチン
陶器のお皿や圧力鍋などは全部物置へしまいました。紙皿やメラミンなどのお皿が増え、最終的にはほとんどが100均のプラスチック製になりました。
味気ないし、美味しそうに見えないけど、背に腹は変えられんと言うか、アジアの他の国に居るみたいだと思うことにしました…。

プラスチックのコップで大好きな珈琲はあまりにも切なかったので、最近街で『トッテマグ』なるものを見つけ買いました。無理のない角度の隙間があり、陶器なのに軽い。数本の指で掴むのではなく人差し指の上に引っかけ5本全部の指が均等に力が入る形で口元まで持っていけます。よく出来てます。

シンクの底には『タコキャッチ』という吸盤がたくさんついたものを付けています。食器などを洗うときにこれがないと固定できないので片手では洗えません。
(ただ、吸盤にくっつかないもの…お箸などは、未だに綺麗に洗うのにすごく苦労しています。いい方法無いかなぁ?)

ハンドソープも食器用洗剤も泡で出てくるものを使っています。

ビンやペットボトルなどの蓋を開けるときは、支えるために両足も使いますが、痛い時は『高性能オープナーeg』使用。

片手だと輪ゴムで袋を密閉することが出来ないので『キッチン便利テープ』を使用。もしくはジップロック(開け閉めする際に歯が要ります)。

なみなみと水の入った鍋を片手で持ち上げたりは出来ないので、レンジでパスタが茹でれる湯きり蓋のプラスチックのパスタクッカー。

『ののじ オニオンチョッパー』簡単なぶつ切りのみですが、長ネギなどを片手で切ることができます。

野菜。カット野菜、サラダのパック、野菜ジュース、青汁。デパ地下かスーパーのお惣菜。あとは根元だけ切ってそのまま鍋にぶち込めるベビー白菜、千切ればいいだけの舞茸など。荒っぽいけどブロッコリーも花の部分を手で千切れます。

フルーツ。ナイフで剥いたり切ったり出来ないので、ひたすらイチゴ、後はバナナかカットパイナップル。さすがにもうイチゴはちょっと飽きたな。高いし。

冷凍や冷蔵のお取り寄せ、便利な世の中になったものです。九州のカット野菜付きもつ鍋とか東京餃子、京都の九条ネギのソースなどが入ったハンバーグラボや千枚漬け、高知の鰻かば焼き、友人が送ってくれたヤマサの冷凍の煮物セットなど。

100均、擦るとじゃがいもなどの皮がむけるゴム手袋があるようです(私はまだ見つけられていませんが)。

100均、『ボトルハンガー』(2リットルのペットボトルから片手で注げる。が、まだ使ってない。そもそも重いものを持つと痛い。)

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■お風呂
背中を洗うために、長い枝のついた豚毛のボディブラシと、長い枝のついた韓国製の垢擦りブラシを使っています。

顔も、タオル生地のスポンジと、蒟蒻スポンジを使っています。

ボディシャンプーや洗顔フォームは泡で出るもの、シャンプーはプッシュ型のものを使用。

頭を洗うにもシャンプーブラシを使います。片手だと時間がかかり疲れるので。

お風呂を洗うには、100均の長い枝のお掃除用スポンジを使用。

お風呂のギプス専用のビニール製のシャワーカバーはAmazonなど市販で何種類か売っています。ただ、それを使えるのは、手術から2週間後でした。それまでは、しっかりと硬めな二重のゴムの部分は通す際に指に触れただけで痛かったので、全然使えなかった。普通のゴミ袋をそっとかぶせ、緩めの輪ゴムを一つだけ指に触れないように細心の注意を払って通していました。今は市販のシャワーカバーを使っています。

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■その他
読書用にカールのブックスタンド。あと透明なクリップ、ブッククリップという名前でも売っているみたい。入院には木製の軽い100均の脚立を持って行きました(時々iPhoneを立て掛けるのにも使用)。

読書の際や、寝ながら胸の上でiPhoneを操作しメールを打つ際などに洛中高岡屋『おじゃみ』の小さいやつ、手首置き。

BONDI万能人形 iPhoneを病院のベッド脇などに吊るせます。

手で何かを破ったり引きちぎったり出来ないので、あらゆる場面でハサミが要ります。小型のハサミを鞄に入れておく。

髪の毛は結べないので切りました。長いと洗うのも片手じゃ大変。邪魔なときには小型クリップとヘアバンドを使用。

洗濯物を干すのに、“片手でできる ありがとうシリーズ”の『いちどにありがとう16』これは便利。素晴らしい!これが無いと、せっかく洗った洗濯物を歯を使って干すと言う汚いことになります。

自動開閉折り畳み傘。開くのが自動なだけじゃダメ、閉じるのも両方自動じゃないと…と思ったのは、使用一度目だけ。二度目、壊れました。ボタン押しても開きませんでした。やたら重いし、枝の部分は自動で縮まないので、お腹を使って縮めるも、すごく硬い。長い傘で開く時のボタンがある物のほうがましかも。

腕に巻いて傘を固定するものがあるようなのですが、腕に巻くのはかなり力が要るだろうから、ギプスしてない方の手が痛そう。

カッパも畳むのが厳しい。

ちょっと雨の日は電車に乗らないところしか行けそうもありません。
どうしても病院など行かねばならない場合は、どうしようかなあ。今のところ運良く雨の日は避けられているけれど…。
100均のカッパとビニール袋を複数持ち歩いて、駅で脱いだら畳まずくしゃくしゃポイとか、笑。脱ぐこと自体が大変そうだし、袖にギプスが通るか分からないな。

頑張ってお腹を使って傘を閉じ、スカートが濡れるの覚悟で両足で挟んでしまうか、だな…。

雨の日の外出は困る。
梅雨時は滅入るだろうな。

ウェットティッシュ 山ほど使います。雑巾を絞れないので、掃除でも使いますが、それだけじゃなく、ギプスの隙間へ必死に指を突っ込んで手を拭き拭き。

歯磨き粉はドイツの『セッチマ』。単に蓋の形状が片手で開け閉め出来るようになっていたため。でも使っているうちに味や香りも好きになった。ただ、ドイツ生まれなだけでサンスターの日本製なんだよねこれ、笑。

電動歯ブラシ。さんざん前述の通り自由の利く方の手も痛いので。

化粧水と乳液と日焼け止め、全てプッシュ型のものを探して買いました。

お財布は首から下げる紐の付いたもの。しかも片手でチャックは無理なので、小銭部分はがま口かマジックテープのもの。
また、一度レジで小銭をぶちまけてからは、スーパーでもクレジットカードが使えるところではなるべくカードで払うようになった。実際、小銭はおろか、お札しまうのすら面倒なんですよ。

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■入院用
手術後の夜中にも、ベッドに寝たまま片手でスポーツドリンクやお水を飲めるように『PIPBABY飛び出すストロー』を2つ。病院の売店にもありました。

アメリカ軍ご用達モルデックスの耳栓のうち遮音性の高いやつ(相部屋はいろいろ煩いです)。

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■退院後の行動
満員電車は避けます。土日も子供の動きが読めないし手がぶつかると怖いのであまり出歩きたく無い。

ビュッフェとかセルフサービスのお店には入りません。大きな陶器のお皿や、お盆は片手じゃ厳しい。

外食して割り箸が出ると、歯を使ってバキッと割るという、男前なことになります。ただし、もし利き腕がギプスだったら箸は無理かも…持ち歩き用マイカトラリー軽いやつが要るかも。

山など、転びそうな足場の悪いところへは行けません。下手したら手術が水の泡。

洗剤など重いものは全てAmazonで買う。

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■番外編
コンドロイチンなどの錠剤
気休めでした。(後で知ったのですが、靭帯や軟骨は血液が通っていない部分なので、口から何か栄養を摂取してそれが組織に直接影響を及ぼすということは考えにくいそうです。だから靭帯自体には蘇生能力がないと言われており、切れたら切れっぱなし。)

ファイテンのチタン製品
きっと気休めですが、痛いのに使わねばならない手首にはおまじない代りに。

定期払い戻し
定期代は気をつけてください!
払い戻しは日割りには出来ず月毎ですが、休職に際して企業は日割りで交通費をさっ引きます。私は区切りの日付からわずか2日を過ぎていたために、ほぼ一ヶ月分の定期代を損失。定期って月単位のものなのに会社来る日の分までしか払いませんよと、乗らなくても一ヶ月毎ですから払い戻しは出来ませんよの、ケチケチ板挟みのワナです。早めに払い戻して、数日は回数券で出勤すれば良かった。

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これ、なんと三日かかってちびちび地道にiPhoneで入力した。まあヘッドホンのマイクで音声入力できることがわかったので、更に楽になったんだけど。

日々創意工夫が楽しみの一つになっています。
(13/03/28)

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さて1ヶ月以上あいてしまいました。皆さんお変わりありませんか。
というのも。片手でPCを打つのはもの凄い大変なんですよ。めちゃくちゃ時間がかかるしストレス。つくづく、iPhoneのフリック入力があって良かった!もしいつか半身不随になることがあったら絶対PCなんて買わない、迷わずiPadを買うことだろう。フリック入力はすばらしい!メールだってこれがなかったら私はもうほとんど返信しなくなっていたに違いない。種明かしですが、iPhoneの音声入力で声で話すのをインプットしてから、それをメール上のフリック入力で校正すればここの更新もなんとかやれそうです。

と言う訳で先月、入院手術をして参りました。日本一の技術をお持ちの手首の専門医に…これで駄目なら少なくとも日本では患部組織が寿命でしたと言うことで。紹介状を手に入れるところまで辿り着くのも結構かかりました。そしてその大学病院は診察まで6時間待ち、手術は3ヶ月待ち。そんな思いをして、レコーディングもおうじさん達のおかげで入院前日までかかって実現し、ようやくこぎ着けた手術ですが、正直前日まで相当迷いました。なぜかと言うとギタ−は問題なく弾けていたから…。身近なミュージシャンはプレイヤーとしてはメスを入れるのは最終判断で自分だったら手術はしない、と仰っていた。私もそういう判断を下していた、手術前最後の診察までは。

何がその判断を覆したかと言うと、ピアノを弾いたりPCを打つ時、ドアノブを廻したり雑巾を絞るような捻る動きをする時の痛みもさることながら、これは主治医の説得力に尽きるのではないかと思う。

全身麻酔はすごいですね。麻酔医がマスクを当て、1,2,3… 落ちてました。
手術後、麻酔から覚め目を開けたら、医師より『内視鏡で縫ったから』と言うようなことを言われ驚きました。受傷から半年以上が経っていたため、既に組織として使い物にならない可能性が高い時期であり、切開し他の部位からの組織移植を予想していたため。『うれしい!絶対移植だと思ってた。先生ありがとうございました』と言いながら感極まって思わず右手差し伸べて握手。直後『まだわからん!』と言い放たれ『そんなぁ〜』と言ったら手術室一同笑いが。医師曰く『だって嘘つけない』 とのこと。『笑、そっか。でもありがとうございました』
ベッドのまま病室まで移動の最中、点滴のセフム系の抗生物質にアレルギー体質の様で全身に膨隆疹が出ました。抗生物質の種類を換え、氷で冷やしていただいたら引きました。その夜遅く座薬を入れてもらって少しだけ眠ったけれどアッと言う間に朝ご飯の時間が。病院て朝も夜も早いんですね。まあ、当然なんですが、夜の9時に消灯するもんだから、非常階段表示の青い光が灯るだけの暗い廊下を通ってお手洗いへ行くのも、丑の刻でもあるまいになんだか薄気味悪かった、笑。

隣のベッドの中学生が尾てい骨かどっかが患部か、食事時間もしょっちゅう便をするし夜中も泣き叫ぶしきつかったなあ。携帯のアラームは遠慮なく鳴らすし。昼間は前のベッドの婆ちゃん達がまあよくしゃべるしゃべる、笑。婆ちゃん達はまだ、そこまで我が侭じゃないし許容出来るんですが…。病院食は食物繊維は豊富そうだけれども「へっ、これだけ?」みたいな粗食で、普段いかに自分が飽食をしているかを思い知りました。

あの先生に執刀いただけてよかった。ベッド頭上の術者名のプレートに、少し誇らしい気持ちになりました。手術の前にも後にも、病室をひとつひとつ回って様子を見に来てくださった。他のとある医師がメールでおっしゃっていたけれども、確かに知識、技量、人格すべて兼ね備えた方だと思いました。

退院日、患部の骨がゴリゴリと痛み、一歩一歩ちびちびソロ〜っと進んでいるのにもう、呻きながらの冷や汗もので結構必死。混む路線のみタクシーに乗ったりしてしのぎながら、なんとかマンションまで辿り着きました。


今は何かの拍子で咄嗟に手が伸びたり、軽いからと油断してビニールなどを持ったり、少しでも捻ったりすると何かが剥がれる様な痛みが走るけど、ギプスをしているし動かさなければ平気です。それより困ったことに、右手の方が痛い。

先日術後初めての診察へ行きましたが、断裂していた2本の靭帯を縫っていただいたものの、痛みの原因は靭帯ではなく、そこに付随する軟骨がべろーんと剥がれていたことによるそうです。
ギプスが下記の様に新しくなりました。最近は石膏じゃないんですね!濡れた幅広の包帯みたいなものを巻いてしばらくすると熱くなってガチガチに固まるんですね。昔骨折した時は石膏をつけ、落書きをいっぱいした記憶があったので、軽いカルチャーショック。色々進化してるんだなあ。これでヘルメットとか簡単に作れそう、なんて思ってしまった。

右手も同じ部分が似た様な痛みを起こしているけれども、もし手術が必要な状態になっているのであれば、今の主治医がご健在なうちにやっていただきたいです。他の医師は全てあの医師が書いた教科書をもとに手術をしているが、同じ様にはできないという現状がある。例えば今回の手術も成功率が7割だが、例え私が残りの3割側でやはり組織として使い物にならず縫ったところがすり抜け移植による再手術の運びになったとしても、あの先生であればお任せしたいです。

今年は桜の開花が早いですね。先日満開の菜の花畑へいきましたよ。杉花粉も満載でしたが…笑。
ではまた。次回は映画などの話や、片手生活の試行錯誤や工夫についてでもレポしようかな〜と思います。気が向いたら。

(13/03/24)

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旧正月の元旦にあたる 2/10 新月、レコーディングをして来ました。おうじさんのバンドメンバーが経営していらっしゃるスタジオにて。
したがって今回の日記はレコーディングレポになります。

深海をイメージした素敵なスタジオでした。ミキサールームの木のスピーカーが物凄く大きくて、1曲録音後に都度聞かせていただくのだけど、あまりにもスピーカーが良いもんだから自分の声がやたらいい声に聴こえちゃって(笑)。

少ししたらおうじさんが現れました。ベースだけじゃなくちゃんとウクレレも持ってきてくれていて嬉しかった。「そりゃあ、あれだけ言われればさぁ」と笑っていた。

前の晩、亡くなった人に「力を貸してください…」ってお願いをしたんです。そしたら、その人と昔バンドをやっていた方がエンジニアで現れた。いくら彼等が同世代とは言え…4千万人以上も人がいる関東で、違う地方での共通のバンドメンバーと偶然出会うこと自体が奇跡的。当時の写真を見せたり、昔話も出来た。不思議でした。

ギターだけで 6 本も!コンデンサーマイクを使っていただいて、おうじさんはプロデュースとベースだけじゃなくウクレレやギターやタイコまで少し叩いてくれて、エンジニア 2 人も見守ってくださって、本当に贅沢で幸せな時間でした。

ささやき声のコーラスが意外と難しかった。簡単なことのように思えるのだけれど、微妙にフラットしたりシャープしたり揺らいでいたり音の初めがちょっと強めに出てしまったりなど、難しくて何度もやり直しました。それでも完璧にはいかず…ギターもそうだけれど、力不足で妥協することも度々ありました。


ほんとは 12 時から 18 時までの予定だったのに結局終わらず、終電まで付き合ってくださいました。
どれだけ感謝したらいいのか分からない。

翌日ラフミックスの音源が届いた。
やっぱりおうじさんにお願いして正解だったって思った。空間の余し方が素敵でむやみに音を埋めず、ぐっと持って行って欲しいところはちゃんとベースなどで持って行ってくれ、曲によってきちんとなったりかっこよくなったり心地よくなったり。かつ何の違和感もなく私の音を自然体でそのまま居させてくれる音。

おうじさん小滝さん加納さん本当にありがとうございました。
そして、録りきれなかった分はまた数日後にレコーディングをさせていただく予定です。入院前日に(笑)。


昨日は、8年くらい前に早稲田のジェリージェフというお店で知り合ったマスターのお店、もと鎌倉で今は相模原にある cafe Pergola さんにて久しぶりに歌わせていただきました。そのうちの幾つかの動画を、YouTube にもアップロードいたしました。お時間ございましたらご覧ください。
You Tube

(13/02/17)



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