◇No.30
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チェルニーのピアノの基礎というエッセイに歌の真髄があるとか。70%の面持ちでレコーディングの話に同意を表した。料理人の友人から、自分は想いを料理に変えてる、うた歌いは歌にしないと、という言葉を頂いた。

いつだったか、もう地球上のどこにもその想いが存在しないのなら、世界中どこへ行ったっておんなじだという気持ちで眺めた、滑走路に点々と浮かぶ青い光を思い出す。眼下の雲に映る夕焼け、機上から目を凝らして天国を探した事もあった。不思議なもので、昨年はやっぱり小さなこの島国でずっと生きてゆきたいなんて思った。どこで暮らそうと、人生の重さを分つ絆や信頼をきちんと見極める事が出来るよう、私は度の合った眼鏡をかけなくてはいけないとおもう。ひどい近視で、相当な乱視だから…。でも、高熱で朦朧とする中、眼鏡をかけずに見下ろしたホーチミンの薄ぼんやりした街灯りは忘れられない綺麗さだったな。翌日、ミルクティー色のサイゴン川水面に反射する朝日と、ゆっくりゆっくり流れて行く巨大なニョロニョロみたいな水草も。遠くにけたたましいクラクションが聴こえていた。
(11/02/02)

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久しぶりにテレビをつけたら、噴火のニュースが流れた。案じても私にはなにひとつ為す術もないのに、少しの間見入ってしまう。傍ら、控除申請の判断をするため昨年の医療費を計算した。いつもの治療代が張るので、全部で7万くらいだった。10万以下では戻って来ない、不憫な額だなと思う。

スイトピーは蝶に似ていて、下から見上げれば群れながらひらひらと空まで飛んでいきそうなのに、いい香りをさせるだけでちっとも羽ばたかない。間近で見ると、花びらはまるで朝日を浴びた雪の様に瑞々しく光っている。優しい色をした、柔らかく可愛らしい羽、あと何日咲いてくれるかな…。そっと瓶の水を換えてやりながら、うき世の儚さに、涙がこぼれ落ちて混ざったりする。
(11/01/31)

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CDや本などを少しずつ売りに出そうとしています。自分が本当に欲しくて買ったのか、実はそうではなかったのか、こうしてみるとよく分かる。物って冷たいし、いざとなると虚しいものだなぁと思います。抱え込んで埋もれていたら、きっとまたどこへも動けない。
でも帰りに、金魚を買ってきちゃうかもしれない。
(11/01/30)

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ヨーガンレールの社員食堂というレシピ本。天然素材にこだわったドイツのアパレル会社の社員食堂で出されるメニューが、なんともヘルシーそうで素敵。お塩も粗塩や梅塩が安心するし、お砂糖も三温糖やきび砂糖の方が好き。ナイロンより木綿、ビニールより革、アクリルよりウール、プラスチックより天然木。費用の問題もあり、なかなか全部が天然素材という訳にはいかないが、生活に化学的なものが少ないと、なんとなくほっとします。
(11/01/27)

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私って驚くほど忘れるとおもう。人間は忘れる事が美徳であって、忘れる事が無かったら苦しくて生きていけないと言われる。もちろんトラウマやつらかった事に関して癒えるという意味では、忘れる事に感謝もしているけれども、何もかも全部鮮明に覚えていたらいいのにって思う事もある。例えばVBのプログラムとか、外国語の単語とか、琴線に触れる音や景色とか。
(11/01/26)

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"いい舌をもって自分でこしらえること。生を、空気を楽しむこと。" 森茉莉さんの貧乏サヴァラン(ずっと貧乏サラバ(ヴァ)・ンだと思っていた)にある、「楽しむ人」という頁を2回読んで、そうだそれを忘れちゃいけない!と思う。ちなみに私はまだ、サヴァランを食べた事がありません。今度作ってみようかな。
(11/01/25)

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お給料日前の一人反省会。反省点が多過ぎて机にめり込みそうです。年末調整も終わったので、共済はようやく解約しました。
(11/01/24)

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今日はそば粉のガレットを作った。
以前私の台湾のレコーディングが頓挫したせいで、現地で落ち合う約束も流れていた友人が帰国。東京へ来ているという連絡が入り、久しぶりの再会。あっちの牡蠣はなんで小粒なんだろう、せっかちで早く採り過ぎなんじゃないの?とか、卵はなんで白いのが無くてぜんぶ黒いんだろうとか、ビールを飲みながら束の間の四方山話。そのまま地元へ帰るとの事で、東京駅まで見送った後、地下から地上へ出たら雨が降っていた。
(11/01/23)

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西日が早くて、その分夜が長いはずなのに、なんだかあっという間に一日が終わってしまいそうで不安になる。念願のパテ屋さんへ…お店の一角は木が沢山生えていて、扉はガラギシと音のする古い引き戸、心癒される不思議な空間だった。牡蠣とほうれん草のペーストと、レバーパテを買った。塩加減が絶妙です。

ジャニスジョップリンのお薦め原稿からもう何年も経つと言うのに、未だ私の事をアヴァンギャルドだのヒッピーだのイメージを持つ同僚からお薦めされた映画。一人で行って正解だったかもしれない、割と人を選ぶ内容だった。笑いながら人知れず泣いた。

ダリルホール&ジョンオーツのデビューアルバム、ホールオーツ。フィラデルフィアの広大な畑で採れたオーツ麦。パテ以外はアメリカンな一日だった。
(11/01/22)

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ニマニマがとまらない。フィリップドレルムという人の日々ごくどうでもいい事に生活の楽しみを見出して味わっている思考回路の可愛らしさに、いつの間にやら「いいねぇ、いいねぇ」と幸せな気持ちになってしまった。 日曜にケーキを買って、箱を時計の振り子の様にゆらゆらさせながら帰って来る瞬間とか、冷たい水に野菜がきらめく台所とか。これから始まる新しい季節を楽しむアイテム、秋のセーター。巡回図書館のふんわりした絨毯でそぞろ歩きをしながら本選び。えんどうの莢むき、しっとりと稠密な緑の豆たち。バナナスプリット上のホイップクリームの罪深い甘さ。マダム・ロジェールで売られているボタン。
(11/01/21)

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人々が満月の光に目を奪われているその隙に、天の浮舟という倭名の宇宙船が舞い降りてくる。太陽系には、未だ発見されぬ第十惑星があり、かつてそこは営みを維持する鉱石としてどうしても金が必要だった。何億光年を越えて、ようやくアフリカなど地球上に見つかった埋蔵金。シールドをまもるため、労働力として生まれた命たち。 いろはにほへとの秘密。シュメール、インダス、エジプト、マケドニアの真実。スメダとユダヤ、ヘキサグラムとペンタグラム。外宮と内宮の間にあった星。月の向こうにある宇宙の第十惑星に平和を祈る。彼等はもっと大きく安らかで揺るぎない物を見ていたはずだ。 明日から月は再び欠けてゆく。フランク・パヴロフの茶色い朝?否。どうあれ眩しい太陽が昇って来る。
(11/01/20)

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年をとる事の最大のロスは、増え続けたどうでもいい知識をめぐって夜な夜な頭が回転してしまうことだという。やっぱりお散歩が足りないのだ。久しぶりにまた多摩川から歩いて帰ってこようか。豆が効くらしいので、黒豆に大豆を食べて豆乳を飲もう。
(11/01/19)

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今日は治療日だったので休肝日です。ハッシュドポテトのつなぎとして使う粉は小麦粉、上新粉、白玉粉、片栗粉などがあるけれど、どれが一番美味しく出来るだろう?
(11/01/18)

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蕎麦を打ったりそば粉のクッキーは焼いたけれど、肝心なそば粉のガレットをまだ作っていない事に気がつきました。台所のシンク下に隠し持っているレシピ本たち…古い物が多いけれど、どれを開いてもわくわくしてしまう。くいしんぼうだからあれもこれもと、付箋紙がいっぱいついている。
最近はもっぱら粉ものにうつつを抜かしておりますが、おつまみレシピのレパートリーをもっともっと増やせたら、暮らしが更に楽しくなりそう。

週末におみくじを引きました。いつものギター教室の近くにある小さな神社にて。…大吉だった!また三ケ月に一度の治療日が来てしまったけれど、大吉だし、今回も乗り越えられるはず。
(11/01/17)

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蔵前のアノニマスタジオへ…。パテ屋さんのまかないと赤ワインを頂きました。お食事はどれもすごく美味しかったけれど、特に豆と豚肉のスープが群を抜いていた。帰りに豚肉肩ロースや豆を買ってきた。まだ味を覚えているうちに作ってみたかったのです。豆を水に浸し、玉葱と豚肉を下ごしらえして……

夜はジェリージェフのかよこさんとまさおさんと飲みました。
それにしても、かよこさんとまさおさんは時折同時に違う事をしゃべり続ける(妻or夫がしゃべっている事を気に留めず)ので、どっちに相づちをうったらいいのか分からなくなる事があって、その状況自体に可笑しくなってしまう。(11/01/15)

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フランスではワインをこぼすと「魔女が通った」と言うんだそうです。素敵!
(11/01/14)

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Ben Harper & The Blind Boys Of Alabamaのライブアルバム、ブルーズィーでカッコよかった。さすが過酷な労働下でうまれたジャンルの音楽、仕事の山を目の前にした時はえいままよな気分にさせてくれる。そういえば昔ギターを始めたばかりの頃、ワンダジャクソンのフジヤマママに憬れたっけ…。

納豆は日本独特の食材かと思いきやインドネシアやヒマラヤにもあり、"納豆三角形"と言われるそうです。美味しいものに関して、まだまだ知らない事が沢山ある。百合根の味を知ったのも関東へ来てからです。ホクホクシャクシャク、素材を味わいたくて、バター炒めやホイル焼きなどでシンプルに食べるのが好きです。百合根の存在は小学生の頃に読んだ本の主人公が食べていたせいで、記憶にはずっと残っていました。ロシア(当時ソ連)の主人公サーシャが、お父さんの働く調査船のデッキで波にさらわれ、無人島で色んな食べ物を発見しながら47日間生き延びた実話…。
(11/01/13)

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横浜の中華街で紹興酒を壷から計り売りしているお店があるそうですね。紹興酒には作り方の違う4種類あるそうですが、日本でよく見かける5年ものは加飯酒の様です。かめ壷からという事は元紅酒だろうか。本国では大きなどんぶりになみなみとつがれる。似た様な色で、涼茶の一つとしてデトックス効果が高いとされる亀ゼリー茶なるものがあります。どっちもほろ苦い大人の味。日曜午後の飲茶は皺皺なお婆ちゃんからひ孫まで家族総出で丸テーブルを囲むもの。各テーブルに沸き立つ活気がなんだか嬉しかったのを覚えている。
(11/01/12)

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昨日クリームパンを焼いた時、バニラビーンズの鞘を割き牛乳に溶かしたのですが、あれを最初に発見した人はすごい。どう見ても炭になった細い枯れ枝にしか…。サフランの雌しべを香辛料に使った最初の人もよくぞあんな小さな物をと思う。香辛料を発見するところから思いを馳せると、生肉と生野菜しか無かった太古に比べれば、それなりにいい時代だなぁ。

パンは韓国でもパンと言うそうです。ちなみに乾杯の事を韓国語ではコンベ。中国語では干杯と書き、北部や台湾だとガンペイ、香港などの広東ではゴンプイと読む。やっぱり似ている…。ベトナムあたりに行ってしまうともう全く違い、ヨーとなる。以前ベトナムのネップモイという餅米焼酎の話を書いた気がしますが、敬意を払ってヨーと言って飲むべきでした。ただし、目上の方々がいる席でヨーなどと言って後から「あ、今のはベトナム語で乾杯って意味で…」なんて弁明しても通用しないのが日本という国なので気をつけたし、笑。
(11/01/11)

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領事館の上にある雑貨屋さんへ。奇跡のフルーツと言われる、アマゾンに生息するアサイのジュースを飲みました。ブルーベリーみたいな色だけど味はミルキーだった。ヤシの新芽であるパルミットの瓶詰めを買った。


ジョビンとミウシャとヴィニシウスとトッキーニョのライヴ映像を観ました。トッキーニョのかっこ良さが尋常でなく、ヒーローとスターと沢田研二を合わせた感じ。ヴィニシウスが評論家席の様な場所で、裏通りに居る占い師みたいな服を着て机の上にはお酒が瓶ごと…笑。ミウシャの口笛は力強く、掴みどころを知りつくしている様だった。(11/01/09)

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フェリーニの命日に行われたカエターノのライブを聴いています。歌詞カードにはジュリエッタがここかしこに写っている。ニーノロータの曲もあるし、Lua Lua Lua Luaなど大好きな曲が入っています。
(11/01/08)

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猛スピードで必死にこなしても夜中までかかった。帰り際にふらついて、出口に向かうはずが棚に向かって正面衝突。明日の朝は初めてのリモート業務です。

次のiPhoneは1ヶ月充電の要らない電池なんだそうです!すごい…。
赤道洋上に浮かぶ空中都市も出来るそうですね。まるでSFの世界。実現目標2025年との事、国際協力が順調にいったら見られるかも!
(11/01/07)

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前世は農家か職人なんじゃないかと思う。帰ってから冷蔵庫の整理をしていたら、ほうれん草とベーコンとキノコで和風パスタか焼うどんが作れる事に気がつきました。お餅があるから、チーズをのせて海苔を巻いてお醤油で食べるのもいいな。そうそうそれから、近日中にクリームパンを焼こうと思います。明日のお弁当の下ごしらえをし、朝用に練乳パンも焼きました。(11/01/05)

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マンションへの道すがら、なんだか東海での一泊が、辛かった事も楽しかった事もどこか別の星の出来事だったんじゃないかという気がした。恐らく10年以上振り、従弟に会いました。なんだか見覚えのない顔、街ですれ違ってもきっと誰だか分からない。友人兄妹とも会いました。お兄さんは事故で肋骨を折ってまだ1週間程、昨日まで入院していたというのに!2人ともわざわざ電車を乗り継ぎこんなお正月の最中、すごく嬉しかった。この兄妹の憎まれ口の叩き合いは、常時漫才みたいで面白いです。新幹線のホームまで2人が見送りに来てくれ、発車時はドラマみたいに窓に張り付いて手を振って、妹さんが手みやげにくれた缶ビール500ml(笑)を飲みながら帰って来た。

地平線が遠くまで見える関係で、夕焼けを観られる時間が長かった。夜空には星たちが沢山いた。明日は茄子の夢、見れるかな。そういえばベランダに小さな茄子が2つ、実っています。茄子漬けか焼き浸しでも作ろうかな…。
(11/01/02)

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元旦。たかだか片道数時間なのに、iPhoneにもうちょっと音楽入れておこうとか、暇つぶしにどの本を持って行くか選んでいるうちに時間が経っています。初夢は…木造の家のリビングに5,6人くらいが居て、そのあとある出来事が起こって表通りに停めてあった車の後部座席に駆け込んで、詳しくは秘密です(笑)。
(11/01/01)



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